Q&A

血友病ライフのQ&A

幼児期~小学生

監修
聖マリアンナ医科大学病院 小児科 長江 千愛 先生
Q1
幼稚園、小学校にはどのように伝えればいいですか?
A 保育園、幼稚園、学校の生活

血友病だからといって、保育園、幼稚園、学校の生活に大きな制約はありませんが、出血が止まるのに時間がかかることと出血時の対処法については説明しておくと安心です。 幼稚園・学校への説明を想定した資料を、血友病の専門医や製薬企業がつくっていますので活用してください。どうしても説明が難しい場合は、病院に電話してもらい医療者から説明してもらうことで解決することもあるので、主治医に相談するとよいです。

伝えるときのポイント
過剰な行動制限や運動制限は必要ないことをまず伝えます。そして、緊急時の対処方法と、何かあったときには家族やかかりつけ医がしっかり対応することを伝えるのが大切です。
Q2
出血があるときは休ませたほうがいいですか?
A 出血の部位や程度を確認し、適切な応急処置をする

出血の部位や程度を確認し、適切な応急処置を行ってください。その上で、安静が必要な状況も考えられますが、完全に治るのを待っていると学校を長期間休むことになってしまう場合もあります。最初は判断が難しいことも多いと思いますので、判断に困ったときは主治医に問い合わせるようにしましょう。

Q3
体育の授業、運動会、遠足、どうすればいい?
A
体育の授業
身体を動かして、筋肉を鍛えることは、関節内出血を防ぐためによいことがわかっています。ただ、スポーツの種類によっては注意が必要ですので、授業でどんなことをするのか、受診のときに主治医にしっかりと伝えてください。
運動会
1日中身体を動かすことになるので、心配なときは予備的補充療法をして、思いっきり頑張ってください。お子さんがどんな競技に出場するかを受診のときに伝えて、予備的補充療法が必要 かどうか、相談できると安心ですね。
遠足
遠足などの、学校からも家からも遠い場所に出かける場合 学校からも家からも遠い場所に出かける場合には、必要に応じて予備的補充療法をして、主治医に紹介状を作成してもらったり、健康保険証、製剤、注射セットを一緒に持たせたりしましょう。 注射や緊急対応が必要となる可能性が高い場合には、目的地の近くで血友病を診ることができる病院を探し、その病院にあらかじめ連 絡しておくとより安心です。
Q4
病気のこと、本人にはいつ、どう伝えたらいい?
A 病気のこと、本人にはいつ、どう伝えたらいい?

血友病の患者さんは幼いころから注射を繰り返し、通院回数も多いので、「自分とお友だちは違う」「どうして自分だけ?」という思いを早くから抱いています。疑問の言葉がお子さんの口から出たら、いくら幼くても、そのときが説明を始めるタイミングです。 製薬企業などが子ども向けの説明冊子をつくっていますので病 院や患者会で入手したり、製薬会社などのwebサイトの情報を活用してください。子どもには難しい内容に思えますが、ストレートに正直に話すと、子どもなりに理解してくれます。また、主治医や看護師から説明してもらうのもよいでしょう。血友病のお子さんを持つ親は、どうしても過保護・過干渉になりがちですが、一生の病気だからこそ、早い段階で病気を自分のこととして理解することが、とても大切です。

Q5
心配だ! 困った! 誰に相談すればいい?
A
心の支えにもなる患者会や母の会
心の支えにもなる患者会や母の会 医師や看護師とは違う視点で、いろいろな体験談、失敗談などを聞けるのが、患者会や母の会です。生活に役立つアドバイスをしてもらえるのはもちろんのこと、不安を受け止めてもらえる仲間ができることは心強いことです。ぜひ1度参加してみてください。
ママ友に助けてもらう
ママ友全員に打ち明ける必要はありませんが、近しいママ友には病気のことを知っておいてもらえると、自分の見ていないところで何かあったときに教えてもらえるなどの安心感があります。
困ったときは、やっぱり主治医や看護師
困ったときは、やっぱり主治医や看護師 困ったときは何でも主治医や看護師など医療スタッフに質問してください。お子さんやご家族が感じる疑問や不安の中に、医療者が知っておくべき情報が隠れていることもあります。「学校にどう説明したらいいかわからない」という相談もしていただいて大丈夫です。たくさんの患者さんとご家族を見てきた 先生たちですから、きっと解決の糸口を見つけてくれます。また、ソーシャルワーカーや臨床心理士も相談に乗ってくれます。主治医や看護師を通じて、問題解決の手助けをしてくれる専門家を紹介してもらうといいですね。
Q6
スポーツを始めたいときは?
A
注意点を守ってスポーツを楽しもう!
どんなスポーツでも、準備運動はしっかりと。適切な補充療法を行うことも忘れずに。主治医や整形外科医には、どんなスポーツに挑戦したいのか、正直に伝えてください。やりたいことを尊重しながら、関節を守るのに必要なトレーニング法など、詳しいアドバイスをもらえます。
良い靴を選びましょう
良い靴を選びましょう 道具選びは慎重にしましょう。特に靴は、お子さんに合ったサイズのクッション性の高いものを選ぶと、脚の関節への負担を軽減できます。インソールやサポーターなどもうまく利用しましょう。
出血や異常があったときはすぐにケア!
目に見える出血があったときはもちろん関節などに異常を感じた場合も、すぐに応急処置や適切な補充療法を行うという約束をしましょう。たとえ試合の途中でも、何か変だと思ったら我慢しない。それがスポーツを長く続けられる秘訣です。
Q7
宿泊行事、修学旅行はどうすればいい?
A 紹介状、健康保険証、製剤、注射セットを持参

海や山に行く行事など出血の心配がある場合は、出発日の朝、出血予防のために補充療法を行いましょう。そして、旅先で出血があったときに備えて、紹介状、健康保険証、製剤、注射セットを持参します。目的地の近くで血友病に対応できる病院を調べて、連絡しておくと安心です。自己注射をマスターしていると、宿泊行事にも、安心して出かけることができます。

Q8
病気のことをまわりに伝えるとき
A

お子さんと関わるすべての人に血友病について詳しく説明する必要はありません。「身体が弱い」「脚に不具合がある」「血が止まりにくい体質だから気をつけて生活している」という説明で十分な場合も多いです。相手との関係が深くなったらより詳しい説明をすればよいので、気軽に必要最低限のことから伝えてはどうでしょう。学校の先生やスポーツクラブの指導者には正しい情報を伝えて、出血時の対処法などを理解してもらいたいですね。 将来、お子さんが恋人やその家族に病気のことを伝えるという場面もやってきます。みんな悩んで乗り越えてきていますから、ぜひ、患者会などでも先輩たちに聞いてみてください。

思春期

監修
聖マリアンナ医科大学病院 小児科 長江 千愛 先生
奈良県立医科大学附属病院 小児看護専門看護師 早川 友香 先生
Q9
友人同士で遠出、旅行を楽しむための準備は?
A 友人同士でお出かけのイメージ

家族旅行や修学旅行のときは、ご家族や先生が協力してくれました。でも友人と出かける場合、自分で出血や緊急事態に対する準備や心構えをしておかなければいけません。主治医や担当看護師などに、どこに行くのか、日帰りか宿泊なのかなどを伝えて、必要な準備や注意することなどを聞いてみてください。みんな、楽しい思い出づくりに協力したいと思っています。友人との時間を思いきり楽しむために、事前にしっかりと準備をして不安がないようにしておきたいですね。

Q10
友人や周りの人に、病気のことを話しますか?
A

これまで学校生活でもクラブ活動でも特に目立った問題は起こらず、友人に話したこともないし話す必要も感じない、と考えているなら、それは定期補充療法をがんばってきた素晴らしい成果です。周囲に話したくない、話さなくても大丈夫だと考えるなら、その判断を尊重します。けれど少しでも不安要素があるならば、「血が止まりにくい体質」であることや、緊急時の連絡先などを一番親しい人には伝えておけると安心かもしれません。

Q11
親に話せない悩み。誰に相談しよう?
A 友達と意気投合しているイメージ

10歳代も後半に入ると、親に知られたくないような悩み事が出てくるかもしれません。そのなかには、友達に相談できること、母親には言えなくても父親には言えること、家族には知られたくないが主治医の先生になら相談できることなどさまざまだと思います。血友病があるからこそ深まる悩みや不安もあります。しかも、親にも主治医にも知られたくない…。そんなときは、同じ病気の先輩に相談しましょう。サマーキャンプや患者会で仲良くなった友達や先輩がいると良いですね。血友病の患者さんをたくさん診ている主治医など医療スタッフに相談すれば、適任の「先輩」を紹介してもらえるかもしれません。そして、これから大人になったら、今度は自分の経験で年下の仲間たちを助けてあげてほしいと思います。

青年期

監修
名古屋大学医学部附属病院 輸血部 鈴木 伸明 先生
Q12
スポーツをしてもいいですか?
A テニスをしているスポーツシーン

出血を起こしやすいからといって、スポーツが禁止されているわけではありません。運動による筋力や関節運動能力の向上は、出血を予防し、関節の障害を予防するといった利点も多くあります。血液凝固因子製剤による補充療法をきちんと行って、無理のない範囲で身体を動かすことが大切です。これまであまりスポーツをしてこなかったのであれば、どんなスポーツができるのか、スポーツをするときの注意点など、主治医や整形外科医、リハビリテーション科の先生とよく相談することが大切です。

運動習慣のメリット
  • ・自分がどの程度の運動ならできるのか、運動をするためにどんな止血管理が必要なのかもわかり、もしもの出血の際にも対応できるようになる
  • ・関節機能が改善するだけでなく心肺機能も高められ、活動性や行動範囲が広がり、より充実した日常生活の実現につながる
  • ・運動の仕方がわかっていれば、中高年期の生活習慣病対策ができる
Q13
血友病以外の疾患で受診する際に注意することはありますか?
A

血友病であることを事前に伝えて、緊急時に備えて主治医と連絡が取れる体制をとっておくと安心です。外科手術や歯科治療など出血が予想される手術・処置を受ける場合は、補充療法の必要性や受診する医療機関に伝えるべき項目について、主治医に確認してください。内視鏡検査などの検査でも出血を伴うことがあるので、事前に検査内容や出血リスクがあるかどうかを確認しておきましょう。

歯科治療について
虫歯や歯周病など、出血を伴う抜歯を避けるためにも、毎日のデンタルケアが大切です。あらかじめ定期検診を受けておいて、ホームデンティスト(かかりつけ歯科医)をつくっておくといいですね。主治医に血友病患者さんの治療経験がある歯科医を紹介してもらうと安心です。
Q14
旅行や出張にいくときは、どうすればいいですか?
A 出張しているイメージ

主治医に相談した上で、十分な準備をすれば安心して旅行を楽しめますよ。緊急のときに備えて、患者さんの名前、血友病のタイプ、重症度、血液凝固因子製剤の種類、緊急連絡先、緊急時の対処法を第三者にもわかるように記した患者カードを用意しておくとよいでしょう。

国内の場合
  • ・必要な薬の数と保管方法を確認し、忘れずに持っていく
  • ・旅行先の血友病治療施設を確認して、紹介状を書いてもらっておく
海外の場合
  • ・必要な薬の数と保管方法を確認し、忘れずに持っていく
  • ・渡航先の言語で血友病であることの証明書や患者カードを用意する(機内に薬を持ち込むときや、入国のときに必要になることがあります。)
    血友病であることの証明書のサンプルは、世界血友病連盟(WFH)のホームページにあります。海外旅行先の病院検索も可能です。

中高年期

監修
兵庫医科大学病院 血液内科 德川 多津子 先生
Q15
デイサービスや介護施設を利用できますか?
A グループホームとスタッフ

血友病患者さんの受け入れ経験がある施設はとても少ないので、しっかりと相談しておくことが必要です。高齢化が進むなか、医療や福祉を必要とする高齢者も在宅で暮らせる社会づくりが進んでいます。そこで提供される在宅の医療・福祉サービスを、血友病患者さんも利用することができます。「経験がない」「前例がない」という場合も、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーと相談・連携し、そして主治医から直接説明してもらうことで、解決の糸口になるかもしれません。

Q16
家族や介護者が家庭療法を行うことはできますか?
A

今は自分で問題なく注射ができていても、老眼や関節障害が進んだり、指先がふるえて自己注射が難しくなることも考えられます。かかりつけ医や訪問看護師に注射してもらう方法もありますが、同居・近居の家族が注射することも可能です。もちろん、正しい知識と手技を学ぶことが必要ですので、主治医や看護師に相談してください。

Q17
他の病気の治療や検査を受けるときに注意することはありますか?
A 胃カメラのシーン

血友病のことを知ってくれているかかりつけ医が身近にいると、風邪などの感染症治療や予防接種、健康診断なども安心して受けられます。初めての医療機関を受診する場合や、外科手術、歯科治療など出血が予想される手術・処置を受ける場合は、補充療法の必要性や受診する医療機関に伝えるべき項目について、主治医に必ず確認してください。がん検診など内視鏡検査を受けるときも、事前に検査内容を確認し、主治医へ相談しておきましょう。

Q18
市販薬は使っても良いですか?使ってはいけない薬はありますか?
A 薬局

薬の成分の中には、血友病患者さんが避けなければいけないものがあるので、できるだけ主治医やかかりつけ医に処方してもらってください。かかりつけ薬局/薬剤師制度が始まり、地域の薬局/薬剤師も専属の「お薬パートナー」になってくれますから、血友病のことを知ってくれているかかりつけ薬局をもっておくのもいいですね。

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