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ライフステージに応じた⾎友病のつきあい⽅整形外科とリハビリテーション

監修

名古屋大学医学部附属病院 輸血部 鈴木 伸明 先生

出血経験がなくても、1年に1度は関節症の定期検診を。リハビリテーションは、関節内出血の予防や、再出血の予防にもなります。

血友病性の関節障害を見つけるためには、「継続的な観察」が不可欠です。定期的にレントゲンを撮っておけば、前回の検査時(あるいは関節内出血が起こる前)の関節と比較して、関節の状態の変化がわかります。またエコーやMRIは、早期の関節障害を見つけることができます。すみやかな止血管理はもちろん、継続的に身体の状態の変化を診てもらうためにも、通院が可能な範囲にホームドクター(かかりつけ医)をつくれるといいですね。また、血友病に詳しい整形外科やリハビリテーション科のかかりつけ医がいると、正しいリハビリ方法や関節に負担をかけない工夫なども専門的な立場で指導してもらえます。

定期検診の時期

関節に問題がなくても、最低でも1年に1度はレントゲン写真で関節の状態を記録しておく必要があります。すでに出血を繰り返す関節がある場合には、6ヵ月に1度は関節の状態を診てもらいましょう。

リハビリテーションで関節機能を維持・改善しましょう

リハビリ中のイメージ リハビリテーション(以下、リハビリ)は、関節の動きが悪くなってから行うものだと思っていませんか?もちろん、関節症になってからも関節機能の回復のために行いますが、リハビリは関節症の予防、つまり関節内出血や再出血の予防のためにも必要なんです。

リハビリテーションの目的

  • 関節を支える筋肉を鍛えることで関節を保護し、関節への負荷を減らし、関節内出血を起こりにくくする
  • 出血後の適切な早期リハビリによって、安静時に低下した関節周囲の筋力や関節の動きを回復させる
  • 上記の結果、歩行能力や日常生活能力を向上させ、より広い社会参加を可能にする

リハビリテーションを行うための注意

  • 血液凝固因子製剤の注射によって十分な止血管理ができていること
  • どんな運動が適切か、必ず主治医に相談し、決められたとおりに行うこと